こんにちは!ゆうきです。
エントリーシートで、「私の強みは、課題解決力です。」という冒頭の表現をよく見ます。
しかし、混沌たる現代に生きる人間で、「課題解決」をしたことのない人なんて存在しないわけで、「課題を解決する力がある」という表現はあまりに抽象的すぎると私は考えます。
そこで今回は、課題を「認識・設定」してから「解決」するまでのプロセスの面から、「課題解決力」を分解し、より具体的に自らの強みを理解する方法について説明したいと思います。
次のような人にオススメ!
- 「課題解決力」をより具体的に表したい。
- 「課題解決力」を上手くアピールしたい。
強みは「課題解決力」です。がダメな理由
他の就活生と差別化できないから
人事など、エントリーシートの選考を行う人は、1日で何百ものエントリーシートを読むことがあります。さらに、何回も同じ質問形式のエントリーシートを選考していたら、採用すべきかどうかを「初めの一文」で判断できるとも言われます。その中で、あなたの自己PR文の「初めの一文」が「私の強みは『課題解決力』です」だとしたら、一瞬で外へ弾かれてしまうかもしれません。
なぜなら、同様の表現をしている人と差別化ができず、悪い言い方をすると「そこら辺にいる人」として認識されてしまうからです。そのため、知らない人との第一印象ともいうべき自己PRの「初めの一文」は自分色のある文にし、後の内容に興味を持たせる必要があります。
「課題解決」の内容が抽象的だから
私が就活生の自己PR文を添削した際の経験上、「初めの一文」が抽象的になっている多くの人は、その強みを裏付けるエピソードが具体化できていない場合がほとんどです。
同じような状況に陥ってしまっている人は、次項で説明する課題を解決するまでのプロセスの中で、自分はどの段階で特に力を発揮するのかを分析してみてください。
「課題解決」の強みを具体化するために
「課題」を「解決」するまでのプロセスから考える。
人が課題を解決するまでの基本的なプロセスは、以下の通りです。
「背景」→「課題認識」→「課題設定」→「課題解決施策の実行」→「結果」
課題解決型のエピソードを伝える際も同様に、このプロセスに沿って文章を作れば、話の繋がり(ロジック)を理解してもらえます。
また、プロセスに分けて考えてみると、自分が課題解決のどの段階で”強み”を発揮しやすいのかを明らかにしやすくなります。(「課題設定」が得意なのか、「解決」することが得意なのかなど)
次の章以降では、特に力を発揮した「段階」を見つけるとともに、その「段階」ごとに、アピールすべきあなたの強みも説明していきます。
「課題解決型」エピソードをプロセスで分析する
1.「背景」から、「課題認識」まで
具体化すべきこと:「どのように課題を抽出したのか」
発揮された能力例:「現状を把握してそこから課題を見つけていく思考力」
2.「課題認識」から「課題設定」まで
具体化すべきこと:「取り組むべき課題をどのように定めたか」
発揮された能力例:「課題を見極める力」
3.「課題設定」から、「施策実行」まで
具体化すべきこと:
「解決の協力を得るために周囲をどう説得したか」、「どう解決へのモチベーションを持たせたか」
発揮された能力例:「組織におけるマネジメント力」、「周囲との関係性構築を行う力」
4.「施策実行」から「結果」が出るまで
具体化すべきこと:「解決方法が頓挫し、再度考える必要が出た際、どう乗り切ったのか」
発揮された能力例:
「施策のPDCAを回す思考力と行動力」、「困難な状況でも周囲をバックアップするマネジメント力」
1.物事の「背景」から「課題認識」まで
そもそも、「課題」は見つけないと「解決」できません。既に明確になっている場合を除き、「どんな課題があるか」を抽出するところからプロセスは始まります。この時「課題」は複数挙げられることも珍しくありません。
また、自分一人で思考力を活かして、現状から課題を引き出すことは出来ますが、 話し合いやミーティングのブレインストーミングを通して課題が挙げられることも多くあります。貴方の課題解決型エピソードにおいて、「どのように課題を抽出したのか」を思い出してみてください。
このフェーズにおいては、一人で行った場合も、会議で発言した場合も、「現状を把握してそこから課題を見つけていく思考力」が発揮されます。
2.「課題認識」から「課題設定」まで
前項で挙げられた課題が複数ある場合、全ての課題にアプローチすることはナンセンスです。複数の課題がある場合は、最も「緊急度」と「重要度」が高い課題や、ある一つを解決すれば他の小さなものまで自ずと解決できる重要な課題がある場合も多いです。
重要な課題はどれかを明らかにする際は「課題を見極める力」が必要になります。
ご自身のエピソードにおいて、「取り組むべき課題をどのように定めたか」を、明らかにしてみてください。「なぜその課題が重要だと思ったか」という深堀りの仕方が良いと思います。
特に、IT業界等に代表されるソリューション営業などの選考では、このような課題設定や要件定義を行う力が問われることが多いとみられます。
3.「課題設定」から「施策実行」まで
部活動やサークル、アルバイト等でのエピソードでは、どんなに上手く課題設定をしても解決するためには周囲の協力が必要になる場合も多いと思います。
そこで重要となるのが、「組織におけるマネジメント力」や「周囲との関係性構築を行う力」です。
自分は課題だと認識し、解決しようとしても、周囲はそう思わないというケースは沢山あります。
そのため、この段階では、「解決の協力を得るために周囲をどう説得したか、どう解決へのモチベーションを持たせたか」を明らかにしてみてください。
4.「施策実行」から「結果」が出るまで
課題の解決に向けてどんなに周囲と協力して行動していたとしても、一筋縄では行かないことは多いでしょう。貴方のエピソードの中では、一度考えた解決の方法が頓挫し、再度考える必要が出た際、どう乗り切ったでしょうか? 思い出してみましょう。
自分(または自分達)が行った解決に向けた行動とその遂行能力が評価されない理由はここが抜けている、または甘い場合が多いです。
読み手に「そんなに上手くいくかな?」「施策の効果が出たんじゃなくて他の要因があるんじゃない?」と思わせてしまったら自己PRの意味がありません。 そのため、この段階ではどんな困難があり、どう乗り越えたかを明らかにしてみてください。
「施策のPDCAを回す思考力と行動力」、「困難な状況でも周囲をバックアップするマネジメント力」など、前項の「施策実行」における力の裏付けや強化にもなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
貴方の「課題解決型」エピソードを各プロセスで分解する際に「具体化すべきこと」とその段階において「発揮された能力例」を以下に再掲します。
プロセスごとに振り返ることで、自分がどの段階で最も力を注いだかが分かり、自己PR文に書くべき強みが分かってくると思います。
是非、やってみてください!
1.「背景」から、「課題認識」まで
具体化すべきこと:「どのように課題を抽出したのか」
発揮された能力例:「現状を把握してそこから課題を見つけていく思考力」
2.「課題認識」から「課題設定」まで
具体化すべきこと:「取り組むべき課題をどのように定めたか」
発揮された能力例:「課題を見極める力」
3.「課題設定」から、「施策実行」まで
具体化すべきこと:
「解決の協力を得るために周囲をどう説得したか」、「どう解決へのモチベーションを持たせたか」
発揮された能力例:「組織におけるマネジメント力」、「周囲との関係性構築を行う力」
4.「施策実行」から「結果」が出るまで
具体化すべきこと:「解決方法が頓挫し、再度考える必要が出た際、どう乗り切ったのか」
発揮された能力例:
「施策のPDCAを回す思考力と行動力」、「困難な状況でも周囲をバックアップするマネジメント力」