こんにちは!ゆうきです。
突然ですが、皆さんはグループディスカッション、得意ですか?まだ未経験で、どう振舞っていいか分からない方や、何度やってもコツを掴めない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、グループディスカッション(GD)のゴールを確認した上で、議論フェーズを「時間配分設定」→「前提条件の定義」→「課題抽出」→「優先課題の特定」→「解決施策の発散」→「施策のまとめ」の6つに分けて、それぞれの段階で意識すべきことを解説していきます。
※本記事は文字数が多いため、必要に応じて目次をご活用ください。
次のような人にオススメ!
- 就活をしている大学生の皆さん
- グループディスカッションの選考を控えている人
- グループディスカッションに苦手意識がある人
グループディスカッションのゴール
【企業サイド】GDでしか見れない就活生の姿を見る
一言で言うと、「会議の場でどのような価値を発揮してくれるか」を見るためです。企業側はグループディスカッションに参加する皆さんの様子を見て、入社後社内外のミーティングに参加した際の姿を想像します。ビジネスパーソンにとってミーティングへの参加は必要不可欠であり、エントリーシートや面接など他の選考方法では測りにくい対人コミュニケーション力や論理的思考力を見ることができるので、幅広い業界業種の企業でこの選考方法が採用されています。
【就活生サイド】グループ内での”最適解”を導き出す
よく誤認されがちですが、「発言量が多いか」が評価ポイントになる訳ではありません。大切なのは「グループ内全員で最適な答えを導き出すこと」です。一人で考えて1(いち)の答えが出るのであれば、5人グループでは5(ご)以上の回答を目指すことがグループディスカッションで目指すべきことになります。これを達成するために「意識すべきこと」や「最適解」とは何かについての具体は、議論の段階別に、次項でお伝えします。
グループディスカッションの流れ
まずは、ディスカッションが始まってから結論が出るまでの流れを確認します。あくまで例ですが、以下の流れで行われることが多いです。
- 時間配分設定:まず、②~⑥それぞれに費やす時間を設定する。
- 前提条件の定義:前提となる背景や設定の認識をすり合わせる。
- 課題抽出:課題として考えられることを列挙する。
- 優先課題の特定:抽出した中から解決すべき課題を決める。
- 解決施策の発散:課題を解決しうる施策を列挙する。
- 施策のまとめ:実現可能性と効果が高い具体的施策に整理する。
既に課題が明らかになっている場合など、前提条件を確認した後、③と④の課題定義を行わずに「解決施策の発散」に入る流れになることもあります。「これだけ見てもイメージが湧かない!」という方は「コンビニの売上を20%上げる」という架空のテーマで具体的な内容を一部示していますので、下記の表をご覧ください。
- 時間配分設定:制限時間45分
②3分、③10分、④5分、⑤15分、⑥10分 - 前提条件の定義:新宿駅前/ターゲットは20代/客単価500円/…
- 課題抽出:客単価が低い/利用者が少ない/若年層が少ない/…
- 優先課題の特定:20代の平均客単価を上げる
- 解決施策の発散:+1品を狙う/高付加価値商品を揃える/…
- 施策のまとめ:
弁当購入者に向けて小鉢となるおかずを開発・販促/
飲料購入者に向けてレジ待ち列の位置に小袋菓子を設置/…
各フェーズで意識すること
ここからは、先に示した①~⑥の各フェーズ毎に、参加者のあなたが意識すべきことを確認していきます。
①時間配分設定
「時間切れ」という最悪の事態を防ごう!
なぜ時間配分を決めるのか?それは結論が出ずに時間切れになることを防ぐためです。
例として挙げた「コンビニの売上を20%上げる施策」もそうですが、出題されるテーマに”正解”はありません。そのため、い時間があればいくらでも議論できてしまいます。また、議論がヒートアップしてからでは収束することが難しくなります。そのため、予め「〇時〇分まで」と期限を決め、グループメンバー全員の同意を得ておくことが大事です。
また、大切なのは決めた時間配分をメンバー全員で守ることです。議論があまり進まないからといって、「あと3分だけ伸ばそう」となってしまうと、ズルズル後工程を繰り延べることになり、結論まで至らない恐れがあります。これでは時間配分を決めた意味がなくなってしまいますので注意が必要です。
②前提条件の定義
本題に入る前に、全員の認識を合わせよう!
ディスカッションのテーマとして与えられる話題は、基本的に、議論を深める上では”抽象的”すぎて考えにくい場合が多いです。先ほどのコンビニの売上向上施策の例で言うと、「コンビニとはどういうコンビニを指すのか?」を明らかにすることを言います。前提条件を決める時、迷ったら「WHERE」→「WHO」→「WHEN」の順で考えると良いでしょう。この場合、どこの店舗で、その店舗の特徴は何で、いつの時間にアプローチするかを考えることで、前提条件を定義します。
WHERE:都会 or 田舎 (皆がイメージしやすい具体的な地名だと◎)
WHO:客層の特徴は? (「30~40代男性が多め」など)
WHEN:ランチ帯 or ディナ帯 or 両方? (考えやすい時間でOK)
メンバー全員がイメージしやすい条件にしよう!
原則、前提条件は自由に決めてOKです。どの程度詳細まで条件を定義するべきかは、テーマにより異なりますが、より具体的に前提条件を定義すると意見が出やすくなります。また、全員がイメージしやすいような条件の設定を心がけましょう。今回の場合で言うと、「新宿駅」を知らないメンバーがいたら、その条件は適していません。また、「ターゲットは40代より、10代または20代の方が考えやすい」など、指定がない部分に関しては、自分たちが活発に意見を出しやすい条件にしてOKです。
③課題抽出
とにかく沢山の課題を引き出そう!
メンバーの理解を得られるか不安になり、発言に慎重になる人も多いと思います。しかし、この議論には正解はなく、否定する(または、される)筋合いはありません。自信を持って意見を発信しましょう。また、中々意見を言えずにいる人がいたら、「○○さんはどう思いますか?」と声をかけるなど、メンバー全員が発言しやすい雰囲気を作りましょう。
「沢山の課題を引き出す」とは言っても、何でも発言して良い訳ではありません。また、自分の知識をひけらかす場ではないので、「その話って今する必要ある?」と思われてしまうとマイナスポイントです。意見を言う時は、必ずその理由と根拠をセットにし、メンバーの納得を得ること」を意識しましょう。さもないと、議論は進みません。
マッキンゼーの「空・雨・傘」
「空」:空は曇っている。(事実/根拠)
↓
「雨」:雨が降りそうだ。(解釈/理由)
↓
「傘」:傘を持って行くべき。(主張/意見)
課題抽出の段階から相手の意見を否定しないで!
課題抽出の段階において、誰かの発言に対し、「それは違う」などと否定することは避けましょう。なぜなら、意見を否定された人は新たな提案をする気が失せてしまうからです。これは私がGDに参加した際に、最も意識していたことでもあります。
実際のGDで、メンバーの中でも発言量が多い人が、「自分の意見が通っている」と勘違いして優越感に浸り、発言量の少ないメンバーの否定してしまうケースを何度も見てきました。否定された人はその後も発言を恐れるようになり、残念な独裁状態になります。
この段階ではより多くの課題を挙げることが目的であり、課題を吟味するのは次の段階なので、課題抽出の段階では他のメンバーの意見に疑問を持っても、グッと堪えましょう。
④優先課題の特定
敢えて難しい課題を選ばない!
ここでは、③で抽出したいくつかの課題に対して、どの課題にアプローチするかを決定します。選ぶ際のポイントは、解決施策が検討しやすい課題を選ぶことです。なぜなら、難しい課題を解決しようとすると、時間内に納得のいく結論が出ない可能性があるからです。また、難しい課題を解決すれば評価が上がるわけではないので、グループ全員が考えやすく、結論が出しやすいと思われる課題を選びましょう。ここでは施策の議論の方向性が決まるので、GDでは意外と重要なポイントです。
「コンビニは客数を増やすより単価を高める方が施策を考えやすいよね」くらいでOK!
⑤解決施策の発散
課題抽出同様、沢山の施策を出し合おう!
この段階がグループディスカッションの肝です。しかし、意識することは「③課題抽出」と同様です。発言量の少ないメンバーには意見出しを促すこと、他のメンバーの意見に対して不用意に否定しないことを意識しましょう。「的外れな意見かも」と感じても、理由をセットにして発言すれば、受け入れてくれる場合も多いので、思い切って発言する勇気も大事です。
対人コミュニケーション力を発揮しよう!
この段階から施策を吟味しようとすると意見を出しにくい雰囲気になります。そのため、みんなが活発な意見交換ができる雰囲気を醸成しましょう。ここが対人コミュニケーション力を発揮する絶好のポイントです。また、「自分だけ話しすぎたな」と思ったら、メンバーの意見に耳を傾けることも大事です。「意見を聞くこと」もコミュニケーション能力の大事な一要素です。
⑥施策のまとめ
実現可能性と効果の高い施策に収束させよう!
ここでは、⑤で出した施策のアイデアを、実現可能性と効果が高いと思われる施策にまとめていきます。今回のコンビニの例で言うと、実現可能性が低い施策とは、「単価が低い」という課題に対して、「缶酎ハイ購入者に高価な栄養ドリンクを買わせる」などの施策を打つことです。なぜなら、缶酎ハイを買う人は栄養ドリンクを併売することは考えにくいからです。
対して、効果が低い施策とは、「100円のおにぎりを購入しようとしている人に110円のおにぎりを売る」施策を打つことです。これは、20%上げるという目標に届いていないことが理由です。
施策のまとめでは、アイデアのどれを採用するかの判断だけなく、施策を組み合わせて強化することも多くあります。
「最適な施策」=「実現可能性」×「課題解決への効果」
「クロスセル」と「アップセル」(マーケティング用語)
クロスセル:客が購入しようとしている商品と組み合わせて、別の商品の購入を促進すること。
例)コーヒーを買う人に向けて、レジ横にドーナツを陳列する。
アップセル:客が購入しようとしている商品より、グレードの高いものの購入を促進すること。
例)鮭おにぎりの近くに、炙りサーモンおにぎりを陳列する。
その他
笑顔を忘れない!
グループディスカッションは、初対面のメンバーで行われることが多いため、初めて顔を合わせた時から笑顔で接し、「話しやすい人である」ことを周囲に認識させましょう。人見知りでも、緊張していても、口角を上げる意識を持つことが大事です。ここで怖い顔して他の参加者を委縮させても、個人にとっても、チームにとっても、何のメリットもありません。
チーム内で自分が最も貢献できるポジションを見極めよう!
議論の進行役、とにかく意見を出してくれる人、発言量は少ないものの、時折別視点からの意見を出してくれる人、話題が逸れた時に元に戻そうとしてくれる人、タイムキーパーに徹する人など、チームへの貢献の仕方は多くあり、このポジションに優劣はありません。
また、「進行役が一番目立つからこのポジションに立とう」という心理がある人は危険です。目的はチーム全体の最適化なので、その時のメンバーの雰囲気から自分がどのように立ち回るべきかを考えましょう。私は、「自分より議論を進行するのが上手な人がいたらその人に任せ、自分は話題が逸れた時に戻す補助役として価値を発揮しよう」と考えて参加していました。「立ち回り方は議論前の自己紹介やアイスブレイクの時間にメンバーを見て定め、その後の議論で決めた立ち回り方で参加する」といったことができるとGOODです。
まとめ ~これだけ分かってくれれば◎∼
グループディスカッションに正解はない
どの段階においても共通して言えることは、「正解はない」ということです。その場のメンバーが考えやすい条件の定義、メンバー皆が納得する結論への収束が最も重要です。
正解はないならどこで評価の差が出るのか?という疑問を抱く人もいるかもしれませんが、その差は「○○すべきだ。(主張)なぜなら△△だからだ。(根拠)」というロジックがしっかりしているかです。議論の際は個人として、結論の発表の際にはチーム全体として、このロジカルさが問われてきます。
自ら沼にハマるな!
難しい課題を解決してアピールしようとする方も少なくありません。しかし、前述したとおり、GDの目的は就活生の「論理的思考力」や「対人コミュニケーション」を見るのが目的です。そのため、「難しい課題をあえて選んで、時間切れで結論が出なかった/結論に納得感がない場合」より、「簡単な課題解決でも論理的かつ全員で納得感のある答えが出た場合」の方が100倍良いと私は考えています。どれだけシンプルに考えられるかが大事です。
コツを掴むまで何度もトライしよう!
グループディスカッションはコツを掴んだと感じるまで、とにかく場数を踏むことが大事です。自己分析のように机に向かって考えるだけでは上達しないので、この記事を読んだ後はすぐにグループディスカッションを申し込むことをお勧めします。グループディスカッション目的で選考を受けるのもありだと思います。是非トライしてみてください!