自己分析でよく行われる「自分史」の作成について、「自分の過去をどのような観点で振り返ればよいか分からない…」と悩んでいませんか?
この記事では「自分史」を作成するにあたって必要な「時系列に沿って過去を振り返る方法」に関して私が実際にやっていた振り返り方・考え方をまとめています。
次のような人にオススメ!
- 経験を振り返って個性を見つける方法を知りたい。
- 「自分史」の作成方法を知りたい。
- 「自分史」を作ることの必要性を理解したい。
自分史を作る前に
思い出に浸ることが目的ではない
「自分史」の作成で一番気を付けなければいけないのは、「これまでの人生を振り返り、思い出に浸ること」が目的ではないということです。
何年も思い出していないことを思い出すのですから、「懐かしい~」と思う瞬間は何度かあるでしょう。ただし、思い出して終わりでは全く意味がありません。
これから話す「自分史作成の際の観点」を基に過去の経験を想起できたら、まずは紙やWord等を用いて文字に起こしてください。その後、それを材料に経験を深堀し、自分史を作成していきます。
自分史作成の「目的」
自分史を作成する目的は、これまでの経験を深堀ることで「現在までの自分が長年持ち続けてきた関心ごとや得意なこと、大事にしている価値観・考え方などを明らかにするため」です。
人には全員、個性があります。その個性には本来良いも悪いもありません。また、その個性(興味や価値観・考え方)は、最近になって突然現れたものではなく、実は昔から自分の中に存在していたということが往々にしてあります。
個人差はありますが、「価値観の確立は20歳前後まで」とも言われている上、より若い時の経験が現在の価値観・考え方に大きく影響を及ぼしていると考えられます。
そこで「自分史」を作成することで、過去の経験の共通点や傾向を把握し、まだ気づいていないあなた自身の個性(興味や価値観・考え方)を発見していきます。
時系列に沿って過去の自分を思い出してみよう!
個性を探すために経験を深掘っていく前にまずはその材料を思い出していきます。今回は実際に自分の過去を思い出す際の「考え方」や「思い出し方」をお伝えします。
経験を思い出す際の「基本的な観点」とは?
基本的なスタンスは、「~するのが楽しかった」や「~するのを頑張った」、「悔しかった」などの当時の感情や想いを引き出すことです。また、「自らの意思を持って能動的に動いた体験」を優先して言語化してみてください。
これを優先すべき理由は、「能動的な行動をすると、成功(成長)したことを次に生かそうという意識が強まり、価値観の形成に大きな影響がある」と考えるためです。この2つは、過去を振り返る際にどの時期においても共通するスタンス・観点ですので、必ず抑えておいてください。
各年代の「特性に応じた観点」とは?
幼少期~小学校低学年:「どんな思い出でも◎」
幼稚園・保育園~小学校低学年の思い出や経験は基本的にどんなものでも書き出してくれて良いです。
この頃は家族や友達、学校以外のコミュニティへの関わりが比較的少ない人も多いと思います。しかし、数少ない体験や思い出だからこそ、習い事を始めたなど、少しの環境の変化でも、価値観や考え方に大きな影響を与えている可能性があります。自己理解になるかどうかという選り好みはせず、できるだけ多く文字に起こしてみてください。
- サッカークラブに入ったが、全然上手くならなかった。
- 100マス計算のタイムトライアルでライバルに負けて悔しかった。
- 頑張って勉強した結果テストで100点を取れた。…等
小学校高学年:「楽しい・魅力的な活動は何だったか」
この頃になると、学校では部活動やクラブ活動、委員会活動、外部では習い事や塾など、親元を離れて新たなコミュニティへ所属する機会が増えてくる場合も多いのではないでしょうか。
それらの活動の中で、当時の自分は具体的に「(誰と)何をしている/どんな活動をしている時が楽しかったのか」、「そのどこに魅力を感じていたのか」を思い出してみてください。その内容が現在のモチベーションの源泉や、興味に繋がっている可能性が高いです。
- 学級委員長としてクラスの皆をまとめる面白さを実感した。
- 英語スピーチコンテストで入賞し、練習の努力が報われた。
- 野球クラブに入ったがレギュラーになれず、悔しかった。…等
中学生:「周囲との違いと受けた影響は何だったか」
思春期に入ると、これまで以上に家族や友人、先生など自分以外の人との関わりを意識するようになり、他人からの影響を受けやすくなります。
そのため、部活動や学業、習い事等、中学生の頃の経験を思い出す中では、「周囲の人からどのような影響を受けたか」、「他人とどのような違いを感じたか」などの観点で深堀ると良いと思います。
- 計画的な勉強が功を奏し、学年TOP10入りができ嬉しかった。
- 陸上競技部に入部し、メンバーと共に頑張る大切さを学んだ。
- 委員会委員長になり、委員のマネジメントに苦労した。…等
高校生:「理想の高校生活とそのギャップは何か」
入学前
受験して高校に入学した人は、まず、「なぜその高校にしたのか」を考えてみてください。「○○部が有名でその選手になりたかった」ということもあれば、「とにかく偏差値の高い学校に行きたかった」「制服がかっこ良い/可愛い」という場合もあるでしょう。
その内容が、当時描いていた「理想の高校生活」であり、3年間の高校生活のプランになるので、ここでも貴方の考え方や「こうなりたい」という志向性は現れます。
また、プラン実行のために高校受験の勉強を頑張ったのであれば、それが高校受験の勉強におけるモチベーションの源泉になっている可能性があります。
入学後
入学前に思い描いた高校生活ができたかどうかを評価するような形で、日常の学校生活や部活動、学園祭、体育祭等の経験・思い出を振り返ってみてください。
また、中学生の時と同様に、周囲の友達との関わりで影響を受けた点や違いを感じた点も基にして過去を振り返ってみてください。
- 自分の学力を試すため、とにかく偏差値の高い高校を目指した。
- 勉強でも部活でも周囲に差を付けられ、自信を無くした。
- 友達との関わり方が分からず、一人で過ごす時間が寂しかった。
- 大学受験の勉強では志望校合格に向けて毎日必死に勉強した。…等
大学生~現在:「これまでの価値観・考え方はどう変化したか」
最近、成人年齢が18歳になったという世の中の流れもありますが、大学生(18歳以上)になると、高校の時に比べ、自分の意思で選択できる自由度が格段に増します。専攻や所属する部活動・サークル、アルバイトなどの課外活動など、多方面において自分の思い通りにやりたいことができ、開放的な気分になりやすいのがこの時期だと思います。
自分の考え方や興味を深めたり、新たな世界を見る機会が多くなったりと、これまでの価値観・考え方が広がるように思うことも多いのではないでしょうか?
つまり、実際のところ、18歳からは価値観・考え方は18歳までにある程度形成されていて、それが変化する時期でもあると考えます。そのため、経験を振り返る際は、「これまでは○○と思っていたが、実は△△なんじゃないかと思った」など、「価値観・考え方の変化」があったポイントにも目を向けてみてください。
- 授業で異文化の人と関わり、自らの考えの常識が覆された。
- アルバイトを経験し、社会において人と関わる難しさを感じた。
- サークルで全国を旅し、今まで生きていた世界の狭さを実感した。
- マーケティングに興味を持ち、もっと理論を学ぼうと思った。…等
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「時系列に沿って過去を振り返る考え方」についてお伝えしました。文字に起こすことへ難しさを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、初めからまとめようとせず、箇条書きでメモする程度で思い出してみてください。
これができたら、次は各経験の深堀りを行うことで、「過去の経験の共通点や傾向を把握し、まだ気づいていないあなた自身の個性(興味や価値観・考え方)を発見していくという段階に進めると良いと思います。